愚鈍な機根の意で、仏道修行の能力(機根)が劣っていること。またそのような者。利根の対。仏の教えを理解せず、精進修行を怠る鈍根の者は、聖道門の修行では悟りがたく、阿弥陀仏の他力を頼む浄土門の称名念仏の教えの他に救われるべき道はない。法然は、娑婆世界に鈍根の者は多く利根の者は少ないため、阿弥陀仏が救いの条件として人々の能力を問わない称名念仏を選んだとしている。
【資料】『観経釈』(昭法全)、『般舟讃私記』(浄全四)
【参照項目】➡機、根、利根
【執筆者:吉水岳彦】