金襴衣
提供: 新纂浄土宗大辞典
きんらんえ/金襴衣
金襴の布地を用いて作られた袈裟。金襴とは、錦地に金糸模様を織り入れた布地のこと。これで作られた袈裟を金襴衣、あるいは顕色の袈裟という。袈裟は、本来、壊色であったが『蓮門小子訓』に「錦繡の華服は、唐朝より始まれり。勅賜勅許の服にて、如法に非ざれども、華服を以て法儀を飾りて、人の信を護るが故に、字して荘厳衣と云う」とあり、中国の唐代から金襴衣が荘厳衣として用いられたようである。日本では元和(一七世紀前半)の頃より金襴の袈裟が最上と定められた。『山門通規』一には、檀林住持には金襴衣の着用を許したとある(『増上寺史料集』三・四二)。また京都四本山の門末および役者等には飛入金の袈裟を許した。
【参照項目】➡顕色
【執筆者:坂上典翁】