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立道

提供: 新纂浄土宗大辞典

りゅうどう/立道

宝暦五年(一七五五)—天保七年(一八三六)正月八日。心蓮社得誉尚阿慧玄。近世末期の学僧。称念開山にかかる京都嵯峨正定院に住して著述や講義に専念した。京都の生まれ。俗姓は黒川氏。寺町聖光寺良瑞について出家し、寄寓していた学信に会い向学の志を抱く。安永元年(一七七二)江戸増上寺に学び、豊誉霊応から宗戒両脈をうける。また長泉院普寂唯識や華厳、『起信論』等を学ぶ。修学後、河内池の島往生院に住したが、天明三年(一七八三)嵯峨正定院に移った。聞証湛慧信培)の学徳を慕い、祖釈や華厳、唯識などを四〇年に亘って講述した。その間真言宗の慈雲や真成から瑜伽ゆがなどを学んだ。『選択集』に造詣が深く、先人未発の義をだしている。また二祖聖光の顕彰にもつとめた。詩歌をよくし、和歌を小沢蘆庵、詩を学信に学んだ。著書に『選択批判』『徹選択集試言』『鎮西宗要講録』『十八通玄譚』等、宗乗余乗にわたり二十数部ある。


【資料】『略伝集』(浄全一八)


【参考】石橋誡道『立道上人』(正定院、一九〇〇)


【執筆者:𠮷水成正】