授与戒名
提供: 新纂浄土宗大辞典
じゅよかいみょう/授与戒名
没後の作法において、戒名を授与すること。生前に行う場合、得度式では授与僧名、授戒会では授与戒牒という。『法要集』では枕経で行うことが指示されている。仏前に着座し諸仏を奉請したのち、新亡前に着座して、以下の作法を行う。すなわち、剃度作法、授与三帰三竟のあとに授与戒名し、十念を称える。福西賢兆監修『図説浄土宗の法式三』法要篇Ⅱに「白木位牌に法名を浄書、または戒名用紙を貼り、あらかじめ準備しておくが、ここで、口頭によって戒名を授与する旨を述べ、必得往生を念じる」(一四頁、斎々坊、一九九二)とある。定型句はないが熊井康雄『図と写真で見る知っておきたい基本的な法式作法』上に次の例示がある。「茲に新華台あり 今解脱号を ○誉○〇居士と授与す 必得往生」「茲に新蓮生 俗名○〇〇〇あり 既に三帰を受けて 真の仏弟子なり よって法号を○誉○〇居士と授与す 命終決定 必得往生」(一〇六頁、浄土宗、二〇〇四)。
【執筆者:巖谷勝正】