一巻。道光撰。『鎮流祖伝』三の道光の記事には、『無量寿経鈔』七巻の著作年時と同じ永仁五年(一二九七)の成立とするが詳細不明。内容は華山院(花園天皇)の質問に道光が答えた四八の問答からなる。念仏往生は釈尊出世の本懐であることをはじめ、聖浄二門の判釈、阿弥陀仏と浄土、「浄土三部経」の所説、菩提心、往生と滅罪と称名、煩悩と疑心、自力と他力、三心と業成、臨終と来迎などの浄土宗義の諸問題について簡潔に答えている。
【所収】続浄九
【執筆者:笠島崇信】