きりがみ/切紙
小さく切った紙に口伝を認めた文書。『切紙相伝聞書』一には、「切紙とは紙を切って口伝を書き秘蔵する心なり」とある。口伝による誤りをなくすために切紙に認めて、書伝として師匠が特定の弟子に伝授したものをいう。これを切紙相承ともいう。聖冏の『教相十八通』はこの切紙を集成文献化した代表的なものである。これ以後、伝法のときにはこの切紙の様式が用いられるようになった。潮吞切紙は大切紙ともいい、この切紙による伝法を潮吞切紙伝法という。
【参考】越智専明『浄土宗伝法沿革』(増上寺、一九六七)
【参照項目】➡潮吞
【執筆者:西城宗隆】