供養諸仏願
提供: 新纂浄土宗大辞典
くようしょぶつがん/供養諸仏願
『無量寿経』に説く、阿弥陀仏の四十八願中第二十三願の願名。道光『無量寿経鈔』による。義寂は「令奉遍侍諸仏願」(『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒『浄土教の新研究』四二二)、智光は「食頃敬重恒沙諸仏願」(『無量寿経論釈』三、同四七六)、良源は「食頃遍侍恒沙諸仏願」(『九品往生義』浄全一五・一九上)と呼ぶ。成仏したなら、その国土の菩薩たちが阿弥陀仏の威神力によって食事をするほどの短い間に無数の多くの仏国に赴いて供養できるようにしたい、という願。『無量寿経』下の「かの国の菩薩、仏の威神を承けて一食の頃に、十方無量の世界に往詣して、諸仏世尊を恭敬し供養す」(聖典一・二五六/浄全一・二二)はこの願を承けたもの。『大阿弥陀経』の第十三願、『平等覚経』、梵本、チベット訳のそれぞれ第二十二願、『無量寿如来会』の第二十三願、『無量寿荘厳経』の第十七願が対応する。
【資料】『無量寿経鈔』四、『無量寿経随聞講録』上之三
【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)
【参照項目】➡四十八願
【執筆者:齊藤舜健】