五重勧誡録
提供: 新纂浄土宗大辞典
ごじゅうかんかいろく/五重勧誡録
一般に、結縁五重(化他五重、在家五重)の前行における勧誡師の講説(勧誡)をしるしたもの。当初禁止されていた在家に対する五重相伝は、江戸時代に入り認められたが、一部の階層に限られたものであった。その後、次第に大衆化され、民衆教化の方法として普及拡大することとなり、併せてその講説の記録である五重勧誡録も刊行されるようになった。主なものは以下の通りである。法洲『信法要決』、的門『信法要決弁釈』、神谷大周『結縁五重筌蹄』、吉岡呵成『点睛録』、加納隆俊『伝灯講話』、岩井智海『五重講説』、知恩院教務部編『化他五重勧誡撮要』、高山龍善『五重相伝講話』、椎尾弁匡『伝灯余光』、林隆碩『浄土への道』、野島宣道『帰依の大道』『五重法話』『信仰の道』、伊藤宏天『口述五重勧誡』、井川定慶『浄土宗の五重説法』、林霊法『五重講説』、藤吉慈海『五重伝法講話』、金子真補『還愚の法悦』、水谷大成『浄土宗五重講録』、藤堂俊章『五重勧誡』、寺田定信『弥陀の掌』、岩井信道『五重法話』、山本空外『地球人の道(念仏はいのちのうたごえ)』、松島定宣『五重相伝勧誡講録』『順願の声』、羽田恵三『ひとすじの道』、民谷隆誠『歓喜の音』。
【参照項目】➡結縁五重
【執筆者:日下部謙旨】