信法要決
提供: 新纂浄土宗大辞典
しんぽうようけつ/信法要決
二巻。『浄業信法要決』とも呼ばれる。法洲著。成立年時不明(天保四年〔一八三三〕—同七年頃)。結縁五重相伝の勧誡要録および伝書。知恩院の説行の要請を受け、隆円『浄業信法訣』を基に講説の要点を著したもの。十念伝ばかりに重きが置かれる当時の弊風を嘆き、五重相伝の正体は前四重にあって三心具足の日課念仏であると明言している。成立当初から『信法要決』の名が付されていたかは不明で、写本では『伝法加行中勧誡』(勧誡要録)、『化他伝法五重式』(伝書)の名で確認される。また北条的門は本書の勧誡要録に自らの講説を加え『信法要決弁釈』を著した。
【資料】『伝法加行中勧誡』〈翻刻〉(『教化研究』二一、浄土宗総合研究所、二〇一〇)
【参考】『浄土宗教学大系』八、宮入良光「大日比法洲上人の『信法要決』について」(『教化研究』一九、浄土宗総合研究所、二〇〇八)
【参照項目】➡浄業信法訣、信法要決弁釈、北条的門、法洲、隆円
【執筆者:宮入良光】