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浄土十五流

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどじゅうごりゅう/浄土十五流

法然門下の異流を数えた説の一つ。聖聡の作と伝えられる『浄土三国仏祖伝集』下に説かれる。幸西一念義一念衆)、隆寛多念義(多念衆)、聖覚説法義説教衆)、薩生さっしょう三昧義三昧衆・三昧聖・御坊聖)、明遍道心義道心衆・高野聖)、重源勧進義勧進衆・十穀聖)、公胤こういん選択義選択衆)、親鸞一向義一向宗一向衆)、覚明かくみょう九品義(九品衆)、信空諸行義諸行衆)、本願坊の本願義、悟阿弥陀仏一心義、覚阿弥陀仏西方義往生院念仏坊の他力義他力衆)、一遍遊行義遊行衆・時衆)の一五の異流のことで、これらは専修念仏の名を借りた私流義である「念仏衆」に過ぎないとして、法然からの正義を相承している「浄土宗」、すなわち聖光鎮西流証空西山流等と峻別すべき旨が主張されている。これら一五流にどれほど流派としての実態があったかは不明な点が多いが、中世における念仏衆・念仏聖の系譜を考える際に参考となる。


【資料】『浄土三国仏祖伝集』【図版】巻末付録


【参照項目】➡法然門下の異流


【執筆者:吉田淳雄】