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千葉満定

提供: 新纂浄土宗大辞典

ちばまんじょう/千葉満定

文久二年(一八六二)七月二五日—昭和一五年(一九四〇)七月二五日。最勝心院大蓮社孝誉慧阿戒順。近代法式の祖、縁山声明の中興の祖。安芸国豊田郡大崎中野村の小川代三郎の次男として生まれた(一説には廻船問屋中崎某の子という)。京都法然院白蓮社戒宏(麟定)の弟子となる。その後上京し、明治二二年(一八八九)四月に増上寺山内広度院住職となり、後に安養院千葉寛凰の弟子となり千葉と改姓。同二六年五月に千葉県泉水寺に転任し、同三一年五月に安養院住職となる。同四三年一〇月に『浄土宗法要集声明譜』二巻を編纂し、増上寺に伝わる香偈六時礼讃声明特殊法要博士によって、そして大正一三年(一九二四)九月に『礼讃声明音譜』を編纂し、礼讃声明を五線音譜化して法式の統一を図った。また明治四五年(一九一二)四月に法式研究会を結成して、音声・威儀などの法式を体系化し、系統立てて講習会を行って浄土宗法式を普及した。増上寺年中行事特殊法要などでは指南役の重責を務め、七〇〇年御忌のために縁山声明の山外伝授を発起して一般寺院に伝承した。また宗教大学講師宗議会議員・教学院委員・増上寺顧問などを歴任し、増上寺尊宿の最高位である法務大和尚に列せられた。昭和一五年七月二五日に没した。世寿七九歳。著書に『浄土宗法式精要』、共著に「法要儀式精説」『浄土宗教学大系』一五・一六(昭和八年〔一九三三〕二月)、『浄土宗法要儀式大観』がある。


【参照項目】➡浄土宗法式精要浄土宗法要儀式大観


【執筆者:西城宗隆】