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宗議会

提供: 新纂浄土宗大辞典

しゅうぎかい/宗議会

浄土宗の議決機関。浄土宗教師のうちから選挙された議員で組織される。宗議会については、『浄土宗宗綱』第三五条、『宗教法人浄土宗」規則』第六節として第一八条から二五条に規定がある。また運営規程は「宗議会規程」(宗規第二号)、「宗議会会議規則」(宗規第一三号)、「宗議会事務運営規程」(宗規第一四号)、「宗議会議員選挙規程」(宗規三号)、「宗務総長選挙規程」(宗規第一一〇号)等によって詳細に規定されている。議員定数は七〇名、任期は四年。宗議会宗務総長の上申により浄土門主が招集し、年二回三月と九月に招集される定期会、宗議会議員選挙後および緊急必要時に開催される臨時会がある。定期会の会期は五日以内、臨時会の会期は三日以内としている。宗議会において議決する事項は、『浄土宗宗綱』、『宗教法人浄土宗」規則』および宗規の制定または改廃に関する事項、予算に関する事項、決算に関する事項、重大な負担となる契約締結に関する事項、基本財産の設定または変更に関する事項、宗教法人法第二三条各号に掲げる事項、基本財産の処分または担保の提供に関する事項、その他この規則に規定する事項のほか、宗務総長が必要と認めた事項である。

浄土宗宗議会は第一回帝国議会に先立つ明治二二年(一八八九)三月、第一期公会が開かれた。国家体制の整備に呼応して宗門体制も整えられた。議員は大教会(現教区)で公選された議員、五〇人以上六〇人以内をもって組織し、定期会は五年目の三月ごとに開催され、議員の任期は八年で定期会ごとに半数改選された。同二六年三月、第二期公会は五九人の議員で、半数改選の抽籤ちゅうせんを執行し二九人が退職となった。同三一年改訂宗制では、宗会と呼称を変更し、定期会は隔年三月、議員定数四二人、任期は四年で二年ごとに半数改選となった。大正三年(一九一四)の改正では任期を四年、定期会は毎年七日以内とし、定員は四七人となる。昭和三七年(一九六二)の合同議会では浄土宗五九人、本派四五人計一〇四人が議員として招集され、宗綱(旧宗制)、宗規則(法人規則)、諸規程を議決し、現在に至っている。合同以降においては、不文律として党派を認めず、地域ブロック組織を下部構造とする運営を行っている。議員定数については教区による格差が存在し定数是正が求められている。これに対応して平成五年(一九九三)に宗議会機構調査研究委員会が設置され、同九年に同委員会から議員定数を五四人とする案が提出された。また、同一六年八月に報告された『浄土宗基本構想行動計画策定会議報告書』でも、教区の再編成、宗議会議員定数、その選出方法の検討も必要であると報告されており、今後に残された大きな課題である。


【執筆者:今岡達雄】