聞証
提供: 新纂浄土宗大辞典
もんしょう/聞証
寛永一一年(一六三四)一二月一五日—貞享五年(一六八八)五月二七日。字は良光。また誠観と号した。江戸時代前期の学僧。京都出身。父は林政重。一七歳で袋中の弟子呈観について出家、後に空山につき、さらに東暉について修学した。やがて正式の僧となるため増上寺で五年間修行し、その間に『三界義略解』を著す。その後、川越蓮馨寺、鎌倉光明寺等を遊歴し、奈良興福寺の盛源から唯識を学ぶ。二七歳から大沢円通寺に赴き、大原問答、唯識などを講義した。やがて岩槻浄国寺の学頭となり所化を教導。晩年は京都へ帰って閑居し、講義や著述に専念した。主著『略述法相義』は檀林の法相・唯識の教科書となるなど、檀林教学に与えた功績は大きい。著書には『三論玄義誘蒙』『唯識論玄譚』『大原問答私考』他多数。
【資料】『聞証和尚行状記』『鎮流祖伝』(共に浄全一七)
【参照項目】➡聞証和尚行状記
【執筆者:𠮷水成正】