はいえ/敗壊
仏道上の理想や目標を損ない、無駄にし、悪い状態にすること。不敬の心によるものが多い。『十住毘婆沙論』阿惟越致相品では、無上正等覚へ向かおうとする意志が退転することを「敗壊」とする。『同』四法品では「四種敗壊菩薩」として、①法行への不従順②戯論を生じ、師に対し不敬順であること③持戒せずに供養を受けること④柔善菩薩への不敬、驕慢を抱くこと、を挙げる。『無量寿経』五悪段では、「善人を憎嫉し、賢明を敗壊し、傍において快喜し、二親に孝せず」(聖典一・二七二/浄全一・二九)と説かれる。
【執筆者:中御門敬教】