扶選択論
提供: 新纂浄土宗大辞典
ふせんちゃくろん/扶選択論
七巻。現存せず。述作年代は不明。著者は、鎌倉時代の天台系学匠・中道寺覚性(証大)と伝わる。明恵の『摧邪輪』に反駁するため撰述したもの。道光の『新扶選択報恩集』上(または道光『扶選択正輪通義』序文)には「昔、覚性上人、証大と云う者有り。扶選択論七巻・護源報恩集論一巻を作り、反て邪論を破して広く選択を扶く」(浄全八・五三三上)とあり、本書撰述の目的がうかがえる。また、原本・写本ともに現存していないものの、道光の『新扶選択報恩集』に「扶云」として本書を引用しているため、その内容については『新扶選択報恩集』を通して知ることができる。
【参照項目】➡新扶選択報恩集
【執筆者:神宮良弘】