慧伝
提供: 新纂浄土宗大辞典
えでん/慧伝
永禄三年(一五六〇)—寛永一二年(一六三五)三月一日。楽蓮社信誉、字は禿翁。紀伊国光恩寺開山。三河国松平の人。俗姓は源氏。一一歳のとき大樹寺成誉一笑について得度。その後、師の勧めで川越蓮馨寺感誉存貞に師事。存貞の示寂後は増上寺源誉存応に師事する。十数年の修学の後、伊勢国山田原善導寺に住し、源福寺九誉文華より円頓布薩の両戒を受ける。天正一八年(一五九〇)紀伊国那賀郡小倉(和歌山市)に留まり、光恩寺を開創。その後諸国を遊歴し、因幡国信楽寺、安芸国箱島信行寺、禿翁寺など多数の寺院を開創。晩年は光恩寺へと帰り、門弟に囲まれながら遷化。世寿七六歳。弟子に無住・存龍・玄察などがいる。
【資料】『紀小倉光恩寺開祖信誉上人伝』『鎮流祖伝』六(共に浄全一七)
【執筆者:石川琢道】