合殺
提供: 新纂浄土宗大辞典
かっさつ/合殺
十夜会古式で唱える声明。日常勤行式に影響を与えたとされる常行三昧(例時作法)の声明例時や、引声法要の最終部分で唱える声明曲。道光の『往生拾因私記』下に「合殺とは声明の法、仏号六辺を以て合して一曲となす。故に名づけて合殺と曰う。殺とは六の義なり」(浄全一五・四六四上)とあり、合殺の意味には諸説あって一定しない。『四十八巻伝』一〇の浄土三部経如法経次第の条には、「無言行道三辺、奉請、合殺等常のごとし」(聖典六・一一四/昭法全八二六)とある。天台声明系を受け継ぐ祖山流のものは、律曲盤渉調で、「阿弥陀仏」の名号を八回唱えるもので、行道を伴うものである。聖聡持経『板刊阿弥陀経』には、合殺が掲載されているが、現在増上寺では実唱されていない。
【資料】『浄土宗声明集』(知恩院、一九八七)
【参照項目】➡声明
【執筆者:清水秀浩】