面伝口授によらない師資相承のこと。直受じきじゅ相承の対。『吉水瀉瓶訣しゃびょうけつ』には依憑相承と直受相承の二種を挙げ、依憑相承として①釈尊—馬鳴—龍樹—天親—菩提流支、②曇鸞—道綽—善導、③元祖—鎮西—記主というインド・中国・日本の三国における相伝を明かし、「古人の道を行ぜずして仏祖の恵命を続くるの実なくんば、即ち面伝口授と雖も、ただ名を紙上に列するのみ。何ぞ伝法の益有らんや」(『伝灯輯要』八三七)と依憑相承の意義を述べている。
【参照項目】➡経巻相承、直受相承
【執筆者:工藤量導】