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什物

提供: 新纂浄土宗大辞典

じゅうもつ/什物

家財道具のこと。『無量寿経』下には「銭財・衣食・什物」とあり、家具・道具をいう(聖典一・二六一/浄全一・二四)。什は雑・聚という意味(『釈氏要覧正蔵五四・二七八下)。寺院で用いる仏具・器具類。日常用いる器具類を什器といい、代々伝わる宝物を什宝という。特に寺院の所有する資財帳に記載されているものをいう。什物の中で特に珍重すべきものを法宝物ほうぼうもつとし、寺院生活・修行のための資具からあらゆる寺院の所有物まで含めるようになった。『浄土宗制規類纂』(明治二五年〔一八九二〕)には、寺院に属する物件の総称とし、仏像本尊その他影像)・宝物(宸翰・古文書・古器物の類)・什具(前項以外の経巻その他一切の器具)・地所(民有境内地田畑山林宅地)・建物(本堂庫裡その他建物境外所有家屋)・什金(祠堂金保存資金)とある。


【資料】『浄土宗明細簿』(明治一〇年〔一八七七〕)


【参考】『浄土宗の寺院のための寺院規則ガイド』(浄土宗、二〇〇一)


【執筆者:西城宗隆】