一巻。略して『十往生経』ともいう。中国撰述の偽経で敦煌出土の『山海慧菩薩経』(正蔵八五)は異本。極楽浄土に往生するための一〇種の修行法を説き、その内容として大乗の菩薩行に基づく具体的な倫理徳目が説示されている。また阿弥陀仏は二十五菩薩を遣わして念仏行者を擁護すると説く。道綽の『安楽集』に引用されて以来、中国、日本の浄土教者の著述に引用されている。
【所収】続蔵一
【参考】佐藤成順・大南龍昇「十往生経の研究」(『三康文化研究所年報』三、一九七〇)
【参照項目】➡二十五菩薩
【執筆者:大南龍昇】