しょうみょうおうじょう／称名往生

口に南無阿弥陀仏と称えて浄土に往生すること。『無量寿経』では第十八念仏往生願に「乃至十念」と説かれ、『観経』には「具足十念称南無阿弥陀仏」とある。ここから善導は十念を口称の念仏とみなし、第十八願の「乃至十念」を、『往生礼讃』で「称我名号下至十声」（浄全四・三七六上／正蔵四七・四四七下）とし、『観念法門』でも「称我名字下至十声」（浄全四・二三三上／正蔵四七・二七上）と理解している。法然も善導の解釈をうけ、『選択集』三において「問うて曰く、『経』に十念と云い『釈』に十声と云う。念声の義云何。答えて曰く、念声はこれ一なり。何を以てか知ることを得たる。『観経』の下品下生に云わく、〈声をして絶えざらしめ、十念を具足して南無阿弥陀仏と称せしむ。仏名を称するが故に念念の中において八十億劫の生死の罪を除く〉と。今この文に依るに、声はこれ念なり、念はすなわちこれ声なること、その意明らけし」（聖典三・一二二／昭法全三二一）として念声是一論を展開している。したがって浄土宗における念仏往生とは、称名念仏による往生に他ならない。

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【参照項目】➡念声是一、念仏往生

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【執筆者：齊藤隆信】