十声
提供: 新纂浄土宗大辞典
じっしょう/十声
—応永三四年(一四二七)一一月二四日。成蓮社良就。証賢とも栄伝ともいう。名越派檀林梅福山専称寺開山。山城国八幡の木田氏の出身という。名越派三世良山妙観の弟子とも陸奥国矢ノ目如来寺二世鏡円祐誠の弟子ともいう。応永二年(一三九五)同国山崎に専称寺を創建したとされるが、同寺の本尊台座の裏書によると至徳元年(一三八四)以前の開創といえよう。檀林となる基礎を築いた功績は大きい。
【資料】『鎮流祖伝』四(浄全一七)、『総系譜』上(浄全一九)、『浄土惣系譜』(野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』青史出版、二〇〇四)
【参考】玉山成元「浄土宗名越派の確立について」(『藤原弘道先生古稀記念史学仏教学論集』藤原弘道先生古稀記念会、一九七三)、佐藤孝徳『専称寺史』(私家版、一九九五)
【執筆者:𠮷水成正】