一巻。『高僧和讃』ともいう。親鸞著。宝治二年(一二四八)撰述。七高僧について、伝記や教学の要点を和讃にしたものである。龍樹讃一〇首、天親讃一〇首、曇鸞讃三四首、道綽讃七首、善導讃二六首、源信讃一〇首、源空讃二〇首の計一一七首を収めている。七高僧は本願念仏をあきらかにした祖師であるとする親鸞の、基本的視座を端的に窺うことができる。善導だけではなく、法然も浄土からの来化と述べる点は法然門下でも異色である。
【所収】真宗聖典、『定本親鸞聖人全集』二、正蔵八三
【執筆者:藤田真隆】