作法
提供: 新纂浄土宗大辞典
さほう/作法
一般には日常の動作において守るべき礼法をいうが、仏教では法要儀式や行住坐臥などの行儀を定められた法に従って行う所作法式を作法という。現在、浄土宗で作法と称するものは、洒水の開眼作法・撥遣作法、葬儀式の剃度作法などの相伝に関わる修法や、食事の際の食作法など、一定の所作に限定されている。しかし広義には「行儀作法」と捉え、『法要集』威儀の部にいう「所作進退すべて法に適い、端正に行儀を執行すること」がすべて作法と心得るべきである。とくに関西では「一に押し出し、二に衣装、三にお作法」との言い伝えがあり、風格ある動作、威儀正しい着付けとともに、端正な行儀作法が導師の重要な心得とされている。曹洞宗では「作法是宗旨」「威儀即仏法」が宗風を言い表す常套語とされ、密教には加持・祈禱・供養・葬法など多くの作法が伝えられている。
【執筆者:熊井康雄】