後偈
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:23時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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ごげ/後偈
六時礼讃の各時礼讃偈の最後に唱える偈文。『往生礼讃』の日没礼讃末尾に説かれる懺悔・回向・発願・恭敬などの偈の総称。まず「普為師僧父母」(浄全四・三五九上)以下は、曇鸞『讃阿弥陀仏偈』(浄全一・二一一上)を典拠とし、礼讃の総結として往生を願い阿弥陀仏に帰命し、後に改めて懺悔することを表明する。続いて「至心懺悔」(浄全四・三五九下)以下では、初二句で懺悔、次二句で回向、後六句で発願という五悔のうちの三種の懺悔法を用いた要懺により阿弥陀仏へと帰命する。さらに「礼懺諸功徳」(浄全四・三五九下)以下では、礼拝・懺悔の功徳を振り向けて、往生して覚りの境地を得られるよう重ねて発願する。同様の偈が『宝性論』一(正蔵三一・八二〇下)にもあり、「往生安楽国」(浄全四・三五九下)を挿入することで、より浄土往生の発願を強調している。そして礼拝・懺悔を終えるにあたり、「礼懺已一切恭敬 願諸衆生」(浄全四・三五九下)以下の句は『国清百録』一「普礼法」(正蔵四六・七九五中)を参考にしたものと考えられ、仏法僧の三宝に帰依して、諸々の衆生と共に浄土往生を願うと結んでいる。なお中夜礼讃では、「至心懺悔」(浄全四・三六四下)以下、至心勧請・至心随喜・至心回向・至心発願の五悔を用いる。
【資料】良忠『往生礼讃私記』
【執筆者:石上壽應】