了聞
提供: 新纂浄土宗大辞典
りょうもん/了聞
一
—永正二年(一五〇五)七月八日。光蓮社天誉。増上寺五世。信濃国伊奈郡高遠(長野県伊那市高遠町)の人で、父は飯田氏、母は野沢氏。はじめ禅僧として諸国を遍歴修行したが、増上寺四世光冏の講説を聞き浄土宗に改宗した。明応元年(一四九二)八月増上寺五世となり、巡錫教化に努める中にあって足立郡花又村に実性寺(東京都足立区花畑)を開創した。永正二年春、岩槻に浄安寺(さいたま市岩槻区本町)を建て隠栖し、同年七月八日遷化した。
【資料】『三縁山志』九(浄全一九)
【参考】『大本山増上寺史』(大本山増上寺、一九九九)
【執筆者:福田行慈】
二
—寛永一七年(一六四〇)四月八日。道蓮社白誉。了門とも表記。下谷幡随院三世。照誉了学の俗姪(甥)。了学について出家し長年師に随従。了学が没すると幡随院二世阿誉随巌について璽書を受け、同院三世となる。寛永一六年(一六三九)三月、弟子の遵誉貴屋に附法し同院を譲り隠居。翌年灌仏会を修し門弟に遺誡し、弥陀像の前で念仏の後没した。
【資料】『新撰往生伝』四(浄全一七)、『総系譜』『浄源脈譜』(共に浄全一九)
【執筆者:石川達也】