僧侶が諸所を巡って布教教化にあたり、法を伝え弘めることをいう。巡教、巡化、遊化、行脚あんぎゃなどともいうが、特に僧侶が錫杖しゃくじょうを持ち歩いて諸国を布教、遍歴修行をすることから巡錫という。錫杖とは、杖の上に錫の輪があり、動かすと音が鳴るようにできている。これを鳴らすことで毒蛇、害虫を追い払うことができるとされ、比丘びく十八物の一つとして重視される。その錫杖を携えての巡教ということから、とりわけ高僧の遊化布教をさすことになる。
【参照項目】➡錫杖一
【執筆者:慶野匡文】