一巻。良遍撰。建長三年(一二五一)述。法相教学の大家である良遍が至心に念仏することで必ず往生できると確信するに至った理由を詳説したもの。教文甚明故・道理甚強故・現証甚多故・成就甚易故の四門に分けられる。多くは善導教学に依拠しており、「そもそも念仏の行は諸宗の通行なり」(浄全一五・五七一上)と言うように、法相宗においても念仏こそ肝要であることを説き、念仏と唯識観の兼行も認める。
【所収】浄全一五
【参照項目】➡良遍
【執筆者:石上壽應】