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雲棲念仏派

提供: 新纂浄土宗大辞典

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うんせいねんぶつは/雲棲念仏派

雲棲袾宏しゅこうの教えにもとづく念仏集団。袾宏は、杭州府(浙江省杭州市)の雲棲寺で念仏道場を開いた人師戒律を厳守し、座禅と念仏とを一体化させた修行生活は、士庶僧俗に仰がれ、法を問うものが後を絶たず、明末最大の念仏集団を形成し、後世袾宏とその念仏門下は雲棲念仏派とよばれるようになった。華厳教学に基づく袾宏の念仏法門は、執持名号念仏を宗旨とするほか、諸宗との融和も提唱し、同時代の多くの士大夫は、これに関心を抱き参詣する一方、書簡により激しく論議することもあった。袾宏の在俗の弟子は、雲棲門侶二十人とよばれ、士大夫階層の出身者が多かった。袾宏浄土念仏の教えのみならず、その戒律を尊重する姿勢による操守倫理の確立が、彼らを心服させた一因である。


【参考】高雄義堅『中国仏教史論』(平楽寺書店、一九五二)、荒木見悟『雲棲袾宏の研究』(大蔵出版、一九八五)、『竹窓随筆』(中国書店、二〇〇七)


【参照項目】➡袾宏


【執筆者:林鳴宇】