「にんじ」とも発音する。人々に対して仏法を説く教師の意味。これには仏・菩薩の場合と、人間の場合とがある。前者の一例としては、仏十号の「天人師」(神々と人々のための教師)がある。後者には以下の諸例がある。「人師釈して尸羅しら清浄ならざれば、三昧現前せずと言えり」(『四十八巻伝』六、聖典六・六二/昭法全四五九)、「我が朝の人師には恵心の『往生要集』なんどこそは、常に人の見るものにてそうらえ」(『要義問答』聖典四・三八四/昭法全六四〇)である。
【執筆者:中御門敬教】