南岳竹布九条袈裟
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:30時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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なんがくちくふくじょうげさ/南岳竹布九条袈裟
良忠が所持していたと伝える袈裟。大本山光明寺の寺宝。南岳慧思が智顗に菩薩戒を授けるとき、竹布九条袈裟を授与したことに起因し、以後戒法が伝授されるとき、この袈裟を伝授したという。『南岳大師相承袈裟伝来書』によると、最澄が入唐した際日本にもたらされ、比叡山延暦寺に寺宝として伝来し、その後、叡空、法然、聖光を経て良忠へと相承したとされる。この袈裟を伝授されたことは、円頓戒の戒師としてのその正統を継承したことを意味する。『良忠譲状』には「九条の袈裟」(『天照山 光明寺』光明寺、一九八六、四五・一一六)とある。『四十八巻伝』三七には、「臨終に臨み給う時、慈覚大師の九条の袈裟を掛け」(聖典六・五八八)とある。
【資料】『鎌倉光明寺志』(浄全一九・六一一下)、『翼賛』一〇、三七(浄全一六・一九九下、五五九下)
【参照項目】➡九条袈裟
【執筆者:當間浩昭】