女性が成仏する際に一旦男性の身体を受け直すこと。変成男子ともいう。インドには、仏教成立以前より女性の身体は障りが重いとの思想が流れており、仏道修行においても往生・成仏を得難いとされていた。一切衆生を救わんと念仏往生願を立てた阿弥陀仏も女人に対しては別個に願(第三五 女人往生願)を立てている。法然は、これについて『無量寿経釈』で、一切の賢聖から見捨てられた女人が弥陀の救済に対して懐く疑いを見越しての誓願であろう、と見解を述べている。
【参照項目】➡女人往生
【執筆者:渋谷康悦】