てんにちつうがん／天耳智通願

『無量寿経』に説く、阿弥陀仏の四十八願中第七願の願名。道光『無量寿経鈔』による。義寂は「令天耳洞聴願」（『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒『浄土教の新研究』四二〇）、智光は「天耳証明遠聞衆劫願」（『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七六）、良源は「天耳遠聞諸仏法音願」（『九品往生義』浄全一五・一六）と呼ぶ。自らが成仏した国土（極楽世界）の人天が遥か遠くの音を聞き取る能力（天耳智通）を得て、計り知れないほど多くの仏の説法を聞いてすべて記憶するようにしたいという願。『大阿弥陀経』第一七願の一部、『平等覚経』の第九願、『無量寿如来会』の第七願、梵本、チベット訳のそれぞれ第八願が対応する。『無量寿荘厳経』には明確に対応する願はない。

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【資料】『無量寿経鈔』三、『無量寿経随聞講録』上之二（共に浄全一四）

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【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』（永田文昌堂、一九八四）

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【参照項目】➡四十八願

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【執筆者：齊藤舜健】