大前観後
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:28時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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だいぜんかんご/大前観後
『無量寿経』(大経)と『観経』の説時の前後について、『大経』が前で『観経』が後に説かれたとする考え。寿前観後ともいう。道光が『無量寿経鈔』において「浄土三部経」説時の前後について「異義同じからず」(浄全一四・六)というように、三部経の前後関係には異説がある。法然は『観無量寿経釈』で「寿経観経の前後、暗に以て定め難し。今一意に依りて、先ず寿経、後に此の経の文有り、理有り。先ず文とは、此に亦三有り。一には華座観の文に法蔵比丘の願力所成と云えり。今此の文に依るに、前に寿経に彼の願を説くを以て、今彼を指して願力所成と云う。故に知んぬ、寿経は前、此の経は後なり。二に中輩下生の文に云く、阿難白仏法蔵比丘の四十八大願。云云。三に双巻経の上の文に云く、阿難仏に白さく、法蔵菩薩已に成仏して滅度を取りたまうとや為ん、未だ成仏したまわずとや為ん、今現に在りとや為ん。仏阿難に告ぐ、法蔵菩薩今已に成仏して現に西方に在ます、此を去りて十万億刹なり、其の仏の世界を名づけて安楽と曰う。次に理有りとは、寿経の中に彼の仏の発心修行、依正二報を説く。今経には彼の依正の説に付きて、此の十三観を云う。故に知んぬ、寿前観後なり」(昭法全九七~八)と、文(経証)と理(理論)を挙げて大前観後を主張しており、浄土宗ではこれを正統とする。
【参照項目】➡浄土三部経
【執筆者:安孫子稔章】