総浄土依憑章疏
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:28時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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そうじょうどえひょうしょうしょ/総浄土依憑章疏
一巻。『浄土依憑章疏続集』『総浄土依憑章疏目録』ともいう。編者不詳。『長西録』に記載されていない浄土教典籍を含めて目録としたもの。成立年代は名越派袋中滅後のもので、一七世紀中頃と推定される。華厳宗や天台宗など、諸家における典籍を含め、「一乗骨目章」以下「浄土指帰集」に至る一〇五部の章疏を列挙しており、浄土思想研究者にとっては重要な目録である。題下に「和漢雑集異流通用」と注記していることから、鎮西白旗系統の人が編纂したものと推測される。内容は法然とその門弟の著作を中心にまとめられており、その諸師を挙げれば、直弟子である聖覚、浄土宗内において鎮西流は入阿・道忠・了暁・随流・舜昌・愚底・天機、西山流は実信・行観・浄勝、多念義は隆寛、諸行本願義は教観、白旗派は良暁、藤田派は性心・良心、名越派は尊観・慈観・妙観・聖観・良栄理本・良定、三条派は道光、中国においては延寿・袾宏・道衍・大佑、日本他宗においては実恵・良源・覚鑁・覚什・良快・良遍・悟阿・凝然・珠光・少向らの典籍が記載されている。末尾には法然の撰述について注記を施し、真偽を判定しようとする態度がみられる。
【所収】仏全九六
【執筆者:後藤史孝】