授与十念
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:27時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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じゅよじゅうねん/授与十念
十念法の一種。導師と法要参列者、あるいは伝灯師(伝戒師)と受者が結縁するために行う儀式。「切り十念」「御十念」などともいう。導師が南無阿弥陀仏と一声し、これを受けて大衆が復唱していく称え方。侍者あるいは維那(教授師)が「おじゅーねーん」と発声して低頭するのを合図に、大衆も深く低頭し、導師の十念を受ける。導師が「ナームアーミダーブ」の「ダー」の間に大衆が「ナームアーミダーブ」と受け、これを繰り返す。最後十声目は、導師がゆっくり「ナーム」と発声するのに合わせ、大衆はすぐ「ナーム」と発声し、導師の「アーミダーブー」と大衆の「アーミダーブー」とが重なるように称える。『法要集』では、晋山式・帰敬式・得度式・剃度式・正伝法・授戒会・懺悔会・正授戒・落慶式・結婚式・説教などで、特に師弟関係を結んだり、新たに縁を結ぶときに行う。増上寺の御忌法要では、法要の最初に法主から、法要の最後に唱導師からの授与十念がある。法要の最後に行うときは、合掌または払子を持って転向し、大衆に向かって授与十念し、再び本尊に向かって退堂作法をする。
【参照項目】➡十念法
【執筆者:巖谷勝正】