四依
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:26時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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しえ/四依
仏教をたもつための四つの依り所。元照によれば、法・人・行の三種があるという(『四分律行事鈔資持記』正蔵四〇・一六一中)。法四依は修行者の判断基準。Ⓢcatur pratisaraṇa。「法に依り人に依らず。義に依り語に依らず。智に依り識に依らず。了義経に依り不了義経に依らず」の四句をいう。『維摩経』法供養品(正蔵一四・五五六下)など大乗経に散見される。人四依は『涅槃経』四依品(正蔵一二・六三七上)の正法を護持し世間の拠り所となる人物の種別。①具煩悩性②須陀洹斯陀含③阿那含④阿羅漢の四者。四依人、四依菩薩などともいう。行四依は、また四聖種ともいい、出家者の障害を取り除く要素。①糞掃衣②乞食③樹下坐④腐爛薬(陳棄薬)をいう。良忠は『伝通記』(浄全二・二九五下)において用欽『白蓮記』を引き、『無量寿経』に法四依が明されているとする。また、これらとは別に真諦訳(梁訳)『摂大乗論』(正蔵三一・一二一中)では仏の説相に隠れた意図を四依(秘密、Ⓢabhisaṁdhi)とし、これを説四依という。
【執筆者:小澤憲雄】