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三種礼拝

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんしゅらいはい/三種礼拝

上品礼中品礼下品礼の三つの礼拝の総称。上品礼三宝礼三唱礼等のときにいったん合掌した姿で立ち、おもむろに座ってから両膝・両肘・頭を地につけて接足作礼をする礼。中品礼は「香偈」・奉請・「送仏偈」等に長跪してから腰を下ろして接足作礼をする思いをなす礼。下品礼十念・「懺悔偈」等に合掌した姿で上体をかがめる礼。下品礼には浅揖せんゆう深揖じんゆうとがある。聖光の『浄土宗名目問答』上には、「礼に三品有り、一つには口に但南無と称うる。これ下品の礼なり。二つには膝を屈して地に著け、頭頂を地に著けず。これ中品の礼なり。三つには五輪を地に著ける。これ上品の礼なり。又云う。下は揖し、中は跪づき、上は頭面を地に著く。…〔五体投地の相貌は〕二肘と二膝と頭とこれを五輪という。先ず右の膝を以て地に著き、次に左の膝を下して二膝を以て地に著け、二掌をべて、額を過て、空を承り、接足の敬いあることを示すなり。頭を以て地に在るとき、やや久しくして、方に一拝を成ず」(浄全一〇・四〇四下~五上)とある。『釈氏要覧』にも『智度論』の文として同文を掲載している(正蔵五四・二七七下)。浄土宗三種礼拝威儀はこれに依っている。


【参照項目】➡礼拝


【執筆者:西城宗隆】