二〇巻。橘成季たちばなのなりすえ編。建長年間(一二四九—一二五六)頃に一旦成立、後に増補された。平安中期から鎌倉初期に至るまでの説話七百余編を、神祇・釈教・政道忠臣・公事・文学・和歌・管絃歌舞・能書・術道・孝行恩愛・好色・武勇・弓箭・馬芸・相撲強力・書図・蹴鞠けまり・博奕ばくち・偸盗・祝言・哀傷・遊覧・宿執・闘諍とうじょう・興言利口・怪異・変化へんげ・飲食・草木・魚虫禽獣の三〇編に分類。釈教六三に「源空上人念仏往生のこと幷びに公胤僧正、上人を請じて導師と為す事」の記事がある。
【所収】『日本古典文学大系』八四(岩波書店)
【執筆者:魚尾孝久】