阿弥陀仏の真言として用いられる陀羅尼。「オン アミリタ テイゼイ カラ ウン」と伝えられるが、他の呪を指す場合もみられる。「阿弥陀(無量寿)如来根本陀羅尼」を大呪とし、それに対して小呪と呼ばれるが、典拠は定かではないものの、『九品往生阿弥陀三摩地集陀羅尼経』や『大日如来剣印』が考えられる。ただ空海将来の「無量寿儀軌」により天台・真言・浄土の各派の間に広められた点はほぼ間違いない。浄土宗においては、呪を用いて得る功徳より念仏の功徳を択ぶべきであるから、法要・儀礼等にわずかに伝えられるのみとなった。
【参照項目】➡根本陀羅尼
【執筆者:上田千年】