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円派

提供: 新纂浄土宗大辞典

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えんぱ/円派

仏師定朝じょうちょう弟子である長勢ちょうせい(一〇一〇—一〇九一)の系統の仏師集団。名称の由縁はその弟子で派祖である円勢えんせい(—一一三四)以降、名前に「円」の字を冠した仏師が多いことによる。白河・鳥羽両上皇に重用され、六勝寺や上皇の御堂など、院や摂関家に関わる造像活動を多く担った。また、一派の仏師には清水寺別当等に補任された者もあり、大きな勢力を有していたことが知られる。当派の代表的な作例に、円勢とその長子長円(—一一五〇)による仁和寺薬師如来坐像(国宝)や明円(生没年不詳)作大覚寺五大明王像(国重要文化財)などがある。


【参考】田中嗣人『日本古代仏師の研究』(吉川弘文館、一九八三)、伊東史朗『平安時代後期の彫刻 信仰と美の調和』(『日本の美術』四五八、至文堂、二〇〇四)


【参照項目】➡院派慶派


【執筆者:藤田直信】