実践行である止(奢摩他しゃまた)と観(毘婆舎那びばしゃな)を等しく実践する止観不二の心のこと。世親『往生論』には「菩薩、奢摩他と毘婆舎那との広略を修行して、柔軟心を成就すれば如実に広略の諸法を知る」(聖典一・三六九/浄全一・一九六~七)とあり、さらに曇鸞『往生論註』下は同文を解説して「柔軟心とは、謂く広略止観相順し修行して不二の心を成ずなり。譬えば水を以て影を取るに清と静と相資あいたすけて成就するが如し」(浄全一・二五一下)と述べている。
【参照項目】➡止観
【執筆者:石川琢道】