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中夜無常偈

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ちゅうやむじょうげ/中夜無常偈

善導往生礼讃』の無常偈の一つ。中夜礼讃偈を終えるにあたり、この世のあらゆるものが無常であることを説く偈文。「汝等勿抱臭屍臥にょとうもっぽうしゅうしが 種種不浄仮名人しゅじゅふじょうけみょうにん 如得重病箭入体にょとくじゅうびょうせんにったい 衆苦痛集安可眠しゅくつうじゅうあんかめん」(浄全四・三六〇下)。この偈文の典拠は『大智度論』一七の「汝起勿抱臭身臥 種種不浄仮名人 如得重病箭入体 諸苦痛集安可眠」(正蔵二五・一八四中)であると考えられる。大意は、「あなたたちは不浄の象徴たる屍を抱いたまま臥せていてはならない。このような不浄なる身体を仮に人と名づけているに過ぎないのである。それはあたかも重病を患っているようであり、また矢が身体につき刺さるようである。諸々の苦痛が重積しているにもかかわらず、どうして安穏として修行を怠っていてよかろうか」。中夜礼讃偈の最後に維那が座したまま「諸衆等聴説中夜無常偈」と唱え、長跪しながらこの無常偈を独唱し、接足作礼する。


【参照項目】➡中夜礼讃偈


【執筆者:石上壽應】