無常偈
提供: 新纂浄土宗大辞典
むじょうげ/無常偈
一
⇨雪山偈(せっせんげ)
二
善導『六時礼讃』の日没・初夜・中夜・後夜・晨朝・日中、各々の最後にある偈文。これらはともに、この世のすべてのものは儚く無常であるから、極楽浄土への往生を願い求めるべきことを説き、精進を怠ることの無いよう誡めている。三階教文献に初夜・中夜・後夜・晨朝・日中無常偈と酷似する偈文があるが、善導と三階教徒の行法のどちらが先行していたかは、まだ結論をみない。また日本天台宗における行法を記した『法華懺法』の六時無常偈は、善導の無常偈を取り入れたものである。法要では維那が独唱する。
【参考】矢吹慶輝『三階教之研究』(岩波書店、一九二七)、柴田泰山「三階教文献と善導」(『東アジア仏教研究』六、二〇〇八)
【参照項目】➡後夜無常偈、初夜無常偈、晨朝無常偈、中夜無常偈、日没無常偈、日中無常偈
【執筆者:石上壽應】