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晨朝無常偈

提供: 新纂浄土宗大辞典

じんじょうむじょうげ/晨朝無常偈

善導往生礼讃』の無常偈の一つ。『往生礼讃』諸本では「平旦偈」と呼ばれるが、通称、「晨朝無常偈」とされる。「晨朝礼讃偈」を終えるにあたり、この世のあらゆるものが無常であることを説く偈文。「欲求寂滅楽よくぐじゃくめらく 当学沙門とうがくしゃもんぼう 衣食支身命えじきししんみょう 精麤随衆得しょうそずいしゅとく 諸衆等今日晨朝各誦六念しょしゅとうこんにちじんじょうかくじゅろくねん」(浄全四・三六〇下)。典拠は『摩訶僧祇律』二の「欲得寂滅楽 当習沙門法 衣食繫身命 精麤随衆等」(正蔵二二・二四一下)と考えられ、最後の一節は善導により付加されたもの。「煩悩を滅した覚りの境地に入ろうと欲するのであれば、まずは少欲知足の教えを学ばなければならない。衣服や食事は命を支えられる程度であれば十分であり、その善し悪しに左右されることなく施しに応じるべきである。諸々の衆生よ、一日一日晨朝仏法僧戒捨天を念ぜよ」の意。晨朝礼讃偈の最後に維那が座したまま「諸衆等聴説晨朝無常偈」と唱え、長跪ちょうきしながらこの無常偈を独唱し、接足作礼する。


【参照項目】➡往生礼讃無常偈


【執筆者:石上壽應】