「一心戒」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:19時点における最新版
いっしんかい/一心戒
一
円頓戒の異名。大玄『浄土頌義探玄鈔』には円頓戒の異名として一乗心戒・一心本妙戒・本妙一心戒・両頓一心戒などが紹介されている。
【参照項目】➡円頓戒
【執筆者:編集部】
二
北宗禅の系譜を尊重する立場から、菩提達磨相承との位置付けに価値観を置く戒のこと。仏乗円頓金剛戒ともいい、大乗菩薩戒、梵網菩薩戒に同じ。いわゆる大乗戒は鳩摩羅什が戒経を訳して以来、天台に師資相伝され比叡山に伝わるが、その戒の根本は達磨にあるとする。『達磨相承一心戒儀軌』には授戒の師の文言に「三世の諸仏己心の妙戒、本有の戒体顕現して、受者の心地本有の戒体、冥合して一仏性の戒体と成らしめたまう」とあるといい、この戒に対する理解が示されている。
【資料】光定『伝述一心戒文』
【参考】古田紹欽「『達磨相承一心戒儀軌』をめぐって」(勝又俊教博士古稀記念論集『大乗仏教から密教へ』春秋社、一九八一)
【執筆者:袖山榮輝】