「心地観経」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:25時点における最新版
しんじかんぎょう/心地観経
八巻。正しくは『大乗本生心地観経』。唐・般若訳。一三品からなり、大乗的出家のありようとは阿蘭若住、つまり森林生活をし、心地を観察して妄想を滅し、仏道を完成すべきであると説く。心地とは三界の主にして、あたかも大地が五穀を生ずるごときもので、心性は本性空寂であるとする。経中に般若、法華の経名を出し、唯識思想の仏身観、行位説、三性の語も見える。なお仏道の要諦は本経独自の父母・衆生・国王・三宝の四恩説とその報恩行にあるとする。法然は『逆修説法』に、『観経』の三福における孝養父母を解説し、その中で本経の「若し人、父母の恩を報ぜんと欲すれば、父母に代って誓願を発し、阿蘭若菩提道場に入りて、昼夜常に妙道を修せよ」(昭法全二五九、同三〇〇)を引いている。
【所収】正蔵三
【参考】月輪賢隆「般若三蔵の翻経に対する批議」(『仏典の批判的研究』百華苑、一九七一)
【参照項目】➡四恩
【執筆者:大南龍昇】