人里を離れた原野や荒れ地を含めた森林の意味。ⓈaraṇyaⓅaraññaの音写。阿練若、阿蘭那などとも音写される。閑寂、遠離所などと意訳される。インドでは古来、森林で秘密裏に修行がなされていたことから、仏教でも出家の修行者に適した静かな場所を意味した。転じて町や村から適度に離れた修行するのにふさわしい場所や、そこに作られた庵や小房なども含めてこのように呼ばれるようになった。
【資料】『四分律』、『有部律雑事』
【執筆者:田中典彦】