「浄土宗布教全書」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:25時点における最新版
じょうどしゅうふきょうぜんしょ/浄土宗布教全書
三井晶史編。二四巻。昭和五年(一九三〇)一月—同六年一二月、浄土教報社刊。浄土宗教師の実益を主眼として、当時宗内に乏しかった模範講話や教材を集めたもの。各巻とも模範講話・教材集・教家常識講話・浄土宗布教誌の四編で構成され、宗内権威者数十名の執筆によりなる。模範講話には、御忌会や盂蘭盆会、施餓鬼会などの各種行事、および婦人会・青年会・工場布教・軍隊布教・童話等諸方面の講話を収録する。教材集には模範講話の教材のほか、美談・逸話・譬喩因縁・道話および婦人問題・経済問題・社会思想などを収録する。教家常識講話には、伝道法・仏像仏画・書画骨董等各種解説のほか、結縁五重・授戒の勤め方や五重伝法誌にも言及する。浄土宗布教誌には、布教史や布教書籍解題を載せている。また、説教として特にまとまったものには五重説教(岩井智海、一三および一四巻)・授戒説教(神居琳応、一五巻)・浄土三部経説教(川合梁定、一六巻)・御法語説教(金田戒定、一七巻)・選択本願念仏集説教(林隆碩、二四巻)などが挙げられる。当時の時代背景および布教師の対応を知るうえでの好資料である。昭和五一年(一九七六)一二月から翌年六月にかけて内容ごとにまとめられた改編版全二四巻が、ピタカより刊行された。
【執筆者:宮入良光】