「宮殿」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:22時点における最新版
くうでん/宮殿
浄土の荘厳の一部で、仏・菩薩・極楽の天人等が住する殿堂のこと。また経典に描かれる宮殿・楼閣を模して造られた仏像等を安置する小宝殿をいう。Ⓢvimānaの漢訳。『無量寿経』上に「また講堂・精舎・宮殿・楼観あり、皆七宝の荘厳、自然の化成なり。また真珠・明月摩尼の衆宝をもって、もって交露とし、その上に覆盍せり」(聖典一・二四二/浄全一・一五)とあり、また『往生論』に「宮殿諸の楼閣、十方を観るに無礙なり。雑樹に異光の色あり。宝欄徧く囲繞せり」(聖典一・三五五/浄全一・一九二)とあるように、浄土経典に説かれる宮殿は七宝で造られ、光り輝く様々な宝を散りばめた幕がおおい、また十方を観回すに視界をさえぎるようなものはないとされ、さらには妙なる蓮華などで飾られていると記されている。寺院堂内における宮殿様式は一様ではないが、入母屋造りの屋根に、正面または両側に観音開きの扉を有しているものが一般的である。
【参考】石上善應他監修『浄土荘厳全書』四(斎々坊、一九九六)
【執筆者:伊藤瑛梨】